- 2002年企画展予定 -
10:30AM-7:00PM
(火曜休廊)

<深い闇から現出する原風景 - メゾチント35年展・2002年企画PART7>

坂爪厚生・展

―RECOLLECTION−
1971−2002

2002年8月17日「土」−25日「日」
10:30AM−7:00PM(火曜休廊)

    Atsuo SAKAZUME

菜食主義者のシャツ

「菜食主義者のシャツ」
メゾチント、アクアチント
70×49.5cm ed.35 2002

<< その他の作品はこちらに掲載しております。 >>

   
深い闇から現出する原風景 ― 坂爪厚生メゾチント35年展
 メゾチント技法で、漆黒の闇に光を照射し、そこに現情景を浮かびあがらせようと制作してきました。今回は、35年間にわたって作った作品の中から自選したものと新作「菜食主義者」シリーズを併せて展示します。
 60〜70年代高度成長の時代は、大量生産される既製品の象徴としてキューピー人形を登場させた状況劇場「我ら兄弟たち」シリーズなど、80年代、崩壊する価値観、概念の変貌をジグソーパズルで描いた「変貌する頭部」「サファリランド」シリーズ、90年代、「聖なる領域」など、ものの表面と内実との乖離を意図した作品、2000年代に入り「菜食主義者」シリーズでは肌色の野菜がつくりだす食物の反乱の風景などが主な仕事です。いずれも、ものの外に現れるかたちと内実、表面とその奥にあるもの、形象と概念というに、この両者のあいだの距離を測ることをテーマとしてきたわけです。
 メゾチントは銅板の表面を紙やすり状に目立てしたものを削って形象を浮かび上がらせる技法で、金属の銅の持つ硬く粘性のある固有の性質と向き合って仕事をすることになります。メゾチントにこだわってきたのは、この技法が持っている固有の深い黒と黒から白への精緻な階調の変化の美しさとともに、この銅の特性が強いる制約を表現の内實を深めるてだてとしてきたからです。
 35年間の教職も定年を迎え、いわゆる人生60年の区切りに、これまでに作った作品のおもなものを並べてみます。ご高覧、ご批評いただければ有難く思います。
2002年7月 坂爪厚生

   
 略歴
1941年 群馬県沼田市に生まれる
1965年 京都大学工学部合成化学科卒業
1971年 第2回版画グランプリ展賞候補
1972年 第7回ジャパンアートフェスティバル
1973年 第41回日本版画協会・会友賞受賞(東京都美術館)
第4回版画グランプリ賞候補
1974年 第5回版画グランプリ・グランプリ受賞
第2回ニューハンプシャー国際グラフィック展・審査員賞受賞
1976年 若き現代銅版画家展(パリ近代美術館・フランス)
京展・京展賞受賞(同’82)
京都洋画版画選抜展・買上賞受賞
1977年 アートナウ’77(兵庫県立近代美術館)
第1回日本現代版画大賞展
1978年 第2回日本現代版画大賞展
京展・須田賞受賞(京都市美術館)
1979年 第1回サンシャイン版画版種別グランプリ展
1980年 1980日本の版画(栃木県立美術館)
京都洋画版画選抜展・買上賞受賞
1981年 Knots and Fetishes(サンフランシスコ・USA)
1982年 京都の彫刻と版画9人展(京都市美術館)
1983年 第2回バルナ国際版画ビエンナーレ展
‘85選抜展(京都市芸術文化協会)
1985年 リュブリアナ国際版画ビエンナーレ(ユーゴスラビア)
現代日本版画展招待(大英博物館・イギリス)
グレンヘン国際色彩版画トリエンナーレ(スイス)
1986年 京都の近代版画展(京都市美術館)
1987年 中華民国国際版画展
現代の版画1987(渋谷区立松涛美術館)
1988年 ‘88選抜展
第11回グレヘン国際版画トリエンナーレ日本現在版画特別展招待
文化庁優秀作品買上賞
1989年 88年度文化庁買上作品展
1990年 第6回フィンランド国際版画トリエンナーレ展
1994年 平安建都1200年記念選抜展
1995年 京都の美術・昨日・きょう・明日
「坂爪厚生・深見陶治展」(京都市美術館)
1997年 クラコウ国際版画トリエンナーレ展・買上賞受賞
2000年 クラコウ国際版画トリエンナーレ展(ポーランド)
現  在 日本版画協会会員他

【個  展】 平安画廊(京都)・ギャラリープチフォルム(大阪)・シロタ画廊(東京)
日動サロン(東京)・画廊翠巒(前橋)
   

>>>画廊翠巒TOP

Copyright © 2001 SUIRAN. All rights reserved.