<テンペラと金箔による春色の世界―2005年画廊企画PART3>

井手尾摂子・展

− 春・桜 −

2005年3月12日[土]―20日[日]
10:30AM−7:00PM(火曜休廊)

 

当画廊では、約5年ぶりとなる井手尾摂子展を開催致します。

井手尾の作品は「テンペラ」という顔料を卵などで溶き作る、ヨーロッパ中世時代に絵を描く画材として使用された水溶性の絵の具と金箔やプラチナ箔などを、テンペラに適した下地を施したパネルに、時にはレリーフ状の凹凸もつけながら描かれています。その様式は、ヨーロッパ中世の戯曲的な叙情性と日本的な装飾性を併せ持ち、幻想的でナルシストな一面がありながら、どこか冷静な客観性を併せ持つ独自の世界を創り出しており、「ヴィーナス誕生」や「春」を描いた中世イタリアの画家・ボッチチェルリや17〜18世紀の日本を代表する画家・尾形光琳の影響を見て取ることが出来ます。

本展では、この度の個展の「春・桜」をテーマとして描かれた作品を中心に、屏風仕立てにして描かれた作品や公募展出品作も含め、大作から小品までご高覧頂きます。

是非とも、テンペラと箔の独特の魅力を持つ井手尾摂子の春色の世界をご堪能下さいますようご案内申し上げます。

画廊主 梅津宏規

夢の力
たぶん 私は、 夢 が見たいのだ。
誰も見たことがない 新しい 黄金の夢を。
古く、人が海へ漕ぎ出す時に 見たように。
桜に、あるいは 鳥に うさぎに、
いつのまにか 語り継がれてきたように。夢には力があり、
私達には、今 これから紡がれて行く夢が必要だと感じるから。

2005年3月

井手尾摂子

 

【左】 「花兆」 6M、テンペラ、金箔、パネル他

【右】 「天の川音」 100号変形、テンペラ、プラチナ箔、パネル他


【中央】 「真夜中の虹」 8号変形屏風仕立、テンペラ、金箔、パネル

【右】 「花音」 15号変形 テンペラ、金箔、パネル


【左】「春を知る」 12F、テンペラ、プラチナ箔、パネル他

【右】「宵宮」 162X140mm テンペラ、金箔、パネル

 

井手尾摂子
1961長崎市生まれ
1983安宅賞
1984優秀作品賞
女子美術大学洋画科卒業
1985独立展出品(〜'86)
1986多摩美術大学大学院芸術学部修了
1992個展(ワコール銀座アートスペース・銀座)
1995個展(ギャラリーなつか・銀座)/(スポーツニッポン新聞社・越中島)
個展(ギャラリーアートもりもと・京橋)
1996木崎さと子著「光る沼」(新潮社)装画
個展(ギャラリーアートもりもと・京橋)
1997MUSE新春美術展(所沢市民文化センターMUSE)
個展(ギャラリーアートもりもと・京橋)
1998個展(画廊翠巒・前橋)
幻想の新・千年紀展(ぎゃらりい朋・銀座)/
豊田紀雄と作家達展(町田・銀座・新宿)
1999オペラ「蝶々婦人」ポスター・チラシ原画
個展(千葉そごう)
時のかたち展(横浜)以後毎年
個展(画廊翠巒)
2000昭和会展・優秀賞受賞(日動画廊・銀座)
2003新たなる視覚展(福岡日動)/おとなの絵とき展(ギャラリーイセヨシ)
個展(千葉そごう)/現代洋画の潮流展(福岡三越)/
立翔展(福岡日動)/日動展(日動画廊)
2004新たなる視覚展(福岡日動)
前田寛治大賞展出品 (倉吉博物館・日本橋高島屋)
個展(ギャラリーアートモリモト)
自然とどうぶつ展(名古屋日動)
2005新たなる視覚展(福岡日動)
個展「春・桜」(画廊翠巒)
現在無所属・東京都在住

 

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