- 2008年企画展 -
10:30AM-7:00PM
(火曜休廊)

<浮遊した現実―2008年画廊企画PART8>

Overflow

阿部大介・田中朝子・山田純嗣

2008年10月25日[土]−11月2日[日] 
AM10:30-PM7:00(火曜休廊)

人は、ミステリアスな部分がある人に魅力を感じたり、記念日にサプライズをされて感動したり、突然目の前にあらわれた荘厳な景色に感動したり、永遠のライバルの試合のゆくえに熱狂したり、自分でわかっている部分に、わからない部分が加わったとき、心を動かされるのではないかと思います。

阿部大介は、木や布といった素材の表面を、触覚的で生々しい形に転化させ、物質やイメージが持つ意味、性質を、行為、工程媒体を経て揺らいだ状態で表出させる作品をつくっています。

田中朝子は、写真や立体作品で、実在することを前提としながらも、その作品には、主体を欠いた非現実を思わせるわずかなズレがあり、現実からイメージが浮遊するような作品をつくっています。

山田純嗣は、自ら制作した立体の写真に、独自の手法で手を加え、写真or絵画、立体or平面、といった素材や手法のはっきりとしない混沌の中から、作品を前にしたときに感じる、純粋な深層感覚を立ち上がらせる作品をつくっています。

この作家たちの作品に共通するのは、ある現実的なもの拠点にしながらもそこから溢れ出したところに浮遊しているかのような感覚です。

「overflow(溢れる)」と題したこの展覧会から、理解の許容量から溢れ出た、分かりそうで分からない、でも、心の中に確かにある、まだ言語化されていないリアリティを感じてもらえたらと思います。

近年、その作品のオリジナリティーとグロバールスタンダードな作品で大変注目され、国際的に活躍し始めた山田純嗣と同じくその活躍が期待される、阿部大介と田中朝子の三人展を開催致します。

阿部大介 ABE Daisuke
1977年 京都生まれ/2002年 京都精華大学芸術学部造形学科版画卒業/京展・京展賞(京都市美術館)/2003年 「新言語vol.1」(愛知県立芸術大学内)/2004年 愛知県立芸術大学大学院美術研究科修了/2005「Independent イメージと形式 2005」(愛知県美術館ギャラリー)/2006年 「CONNECT Impression on paper」 (Silpakorn University/バンコク)/2007年Duble Reality(愛知県美術館ギャラリー)/EXTRA NUMBER 0807(AIN SOPH DISPATCH/愛知) 他 [Public Collection] 愛知県立芸術大学芸術資料館、町田市国際版画美術館、Silpakorn University(バンコク)
田中朝子 TANAKA Asako
1972年 大阪に生まれる/1995年 関西学院大学社会学部卒業/1998年 大阪美術専門学校プリントメイキング学科卒業/「映像考/・・・」(神戸アートビレッジセンター・神戸)/2000年 大阪芸術大学修士課程修了/2003年 京都市立芸術大学美術研究科博士(後期)課程版画専攻満期退学/2004年 「財飾兼備」(BASE GALLERY・東京)/2005年 「Independent-イメージと形式-2005」(愛知県美術館ギャラリー・名古屋)/2006年「素材:本」(ノマル・プロジェクトスペースキューブ&ロフト・大阪)/2007年 「版という距離」(京都芸術センター・京都)[個展] ノマル・プロジェクトスペースキューブ&ロフト(大阪)/BASE GALLERY(東京)/Oギャラリーeyes(大阪)
山田純嗣 YAMADA
Junji 1974年 長野県飯田市生まれ/1997年 愛知県立芸術大学美術学部油画専攻卒業/1998年/現代日本美術展(東京都美術館・京都市美術館)同‘99・’00)/全国大学版画展買上賞/1999年 同大大学院美術研究科油画専攻修了/熊谷守一大賞展優秀賞/2000年 日本版画協会展奨励賞/2001神奈川国際版画トリエンナーレ2001神奈川芸術文化財団賞/2004年個展(はるひ美術館)/2006年 VOCA2006 現代美術の展望―新しい平面の作家達(上野の森美術館)/2007年 アートフェア東京2007(東京国際フォーラム)同’08[個展]シロタ画廊(東京)/不忍画廊(東京)/東京日本橋高島屋美術画廊X/画廊翠巒(前橋)他[Public Collection] 町田市立国際版画美術館/神奈川芸術文化財団/はるひ美術館/国立台湾美術館他